ストリーミングは、多くのテレビ視聴者の間で急速に定着しつつあります。世代を問わず、視聴者はますます「コード・カッティング」*、リニアケーブル(衛星)テレビの契約を解約してストリーミングを選ぶようになっています。米国世帯のほぼ4分の3(73%)がストリーミング視聴者で、一部の視聴者は、一度もケーブルに加入契約をしたことがない「コード・ネバー 」です。

動画コンテンツをストリーミングで視聴する最も人気のある(そして最も急速に成長している)方法のひとつは、コネクテッドTV(CTV)です。例えば、Comcastのデータによると、2023年5月の視聴者のCTV視聴時間は、2022年5月と比較して21%増加しています。

そして広告費は、ストリーミング動画、特にCTVの人気を反映しています。2020年、eMarketerは2024年までにCTVへの広告費が182億9000万ドル(およそ2兆7,300億円)に達すると予測しています。また、2022年に、eMarketerは予測を修正し、現在では2025年までに300億ドル(およそ4兆4800億円)以上の広告費がCTVに投じられると予測しています。さらに、eMarketerは、半数以上のマーケターが広告予算の少なくとも40%をCTVにシフトすると予測しています。

新規および既存の視聴者にリーチし、市場で優位にたちたいのであれば、メディア購入にCTVを含めることは不可欠です。しかし、CTVに課題がないわけではありません。このチャネルは視聴者とつながる絶好の機会を提供しますが、CTV環境に関する根強い神話や誤解がROIの障害となることもあります。

以下では、CTV購入の効果を最大化するために広告主が知っておくべき4つの重要なコンセプトを紹介します。CTVで最も一般的なメディア品質の課題とその対策についてのより包括的な概要については、CTV測定の最強ガイドもご覧ください。

*コード・カッティング:ケーブルテレビの契約を止めてインターネット経由の動画視聴を選択すること

1. OTTとCTVの違い(そう、違うのです)

OTTとCTVは同じ意味で使われることもありますが、広告主は両者の違いを理解することが重要です。CTVには独自の技術的特徴があり、業界レベルの制約もあるため、広告在庫を測定・保護するための独自のソリューションが必要となります。

OTTとは「オーバー・ザ・トップ」の略で、デジタル動画、またはストリーミングを広く表す一般的な用語です。OTTコンテンツは、デスクトップ、ノートパソコン、テレビ、スマートフォン、タブレット端末、その他モバイル機器など、さまざまな機器で再生することができます。

CTVはコネクテッドTVの略で、インターネットに接続されたテレビ画面と定義されるOTTのサブセットです。CTVは、スマートTV、スティック型ストリーミング端末、ゲーム機、セットトップボックスなど、さまざまな機器で視聴できます。

2. CTVの消費者への関わり方

CTVが他形態のOTT(および他形態のストリーミング)と異なるもう1つの要因は、CTVが部屋の中で最も大きなスクリーンであることが多いことにあります。このため、CTVはインパクトのあるクリエイティブで視聴者にリーチする機会を提供します。

最近の調査によると、消費者はCTVの広告を歓迎しています。実に消費者の64%が、コンテンツにお金を払うよりも広告を見ても良いと答えています。

世界最大の独立系セルサイド・プラットフォーム(SSP)であるMagniteの調査結果は、さらに一歩進んでいます。Magniteは、CTVの視聴者は、適切な広告と引き換えに情報を共有することにも積極的であることを発見しました。また、CTVの視聴者は、リニアTVの視聴者よりも、広告を見た後に購入する可能性が2倍高いということが分かりました。

3. CTV広告測定の重要性

CTVはプレミアムチャネルですが、だからといって品質に関する懸念がないわけではありません。品質はパフォーマンスの基盤であるため、広告主はキャンペーンを監視し、品質の課題から守ることが重要です。広告が、ブランドに適した環境や意図した地域で、実在の人によって見られなければ、インパクトを与えることはできません。

しかし残念なことに、多くの広告主は、CTV在庫の品質についていくつかの誤解を抱いています。これらの誤解には次のようなもの含まれます:

  • 「CTVにはフラウドがない」
  • 「広告はデフォルトで閲覧可能」
  • 「CTVは、自然にブランドセーフ(安全)な環境である」
  • 「CTV広告は、常に意図した地域で配信される」

しかし、これは現実とはかけ離れています。実際、DoubleVerify(DV)は、CTVについて以下のことを発見しました:

2022年、CTVインプレッションにおけるボットフラウドのインシデント率は69%増加している。

インプレッションの3回に1回以上が、テレビの電源が切れたときに広告が表示される環境下で配信されている。

2022年のアップフロント・キャンペーンのサンプルでは、広告主の半数が、低品質のサイトやアプリなど、バイイング・パラメータ外のプロパティで広告を掲載していた。

もう一つのよくある誤解は、プログラマティックなCTV在庫だけがメディア品質に課題をもたらすというものです。現実には、直接購入は、特にエクステンション・ネットワークに関しては、独自の課題を伴うことがあります。

エクステンション・ネットワークは、アップフロントやニューフロントの一部としてよく使われます。これらのネットワークは、パブリッシャーやディストリビューターが、自社が所有・運営する在庫外でキャンペーンを実施することを可能にし、規模を拡大し、より低価格の在庫を含めることができる可能性があります。

しかし、このようなネットワークは、品質に懸念をもたらす可能性もあります。エクステンション・ネットワークの利用は、業界では一般的ですが、広告主によっては契約上、エクステンション・ネットワークの在庫では、インプレッションを掲載しないよう定めている場合があります。このような規定があるにもかかわらず、残念ながら、DVはエクステンション・ネットワークが関係なく使用されている可能性があることを発見しました。

DVは、2022年のアップフロント・キャンペーンのサンプルにおいて、広告主の半数が、アダルトや過激な環境を含む低品質なサイトやアプリなど、バイイング・パラメータ外のプロパティで広告を展開していることを発見しました。このことは、あらゆる種類のメディア購入においてキャンペーン品質を測定し、保護することが不可欠である理由を強調しています。

4. CTVのキャンペーン品質を測定し、保護する方法

不正なインプレッション、ビューアブルでない(視聴不可能な)インプレッション、スータブルでない(不適切な)インプレッションなど、バイイング・パラメータ外の在庫に広告費を浪費することは、非効率、投資収益率の低下、ブランドへの悪影響をもたらします。最大限の効果を上げるために、広告主はキャンペーンを確実に測定し、メディア品質の問題から保護する必要があります。

CTVでフラウドを測定

広告が効果を発揮するためには、実在の人に見てもらわなければなりません。しかし、CTVの人気上昇は、これまで以上に多くの詐欺グループをこのチャネルに引きつけています。CTVの在庫は現在、詐欺の第一の標的となっています。実際、DVの2023年度グローバルインサイトレポートによると、ベリフィケーション(検証)サービスを使用しなかったCTVのテストキャンペーンでは、フラウド率が11.2%でした。これは、ベリフィケーション(検証)サービスを利用したCTVキャンペーンのフラウド率がわずか0.6%であったことと比較すると、367%も増加していることになります。DVはまた、CTVボット詐欺が2021年から2022年にかけて69パーセント増加したことも発見しました。

フラウドは、特にキャンペーンが保護されていない場合、広告主にとってコストのかかる課題となります。その結果、広告費が無駄になり、媒体費の効率が低下します。

CTVの不正行為にはさまざまな形態があります:

偽トラフィック

不正アプリ

なりすまし

詐欺グループは、不正なデバイスから偽のトラフィックを生成するサーバーを作成し、プレミアムインプレッションとして送信する。

DVは、1日あたり170万台以上の不正デバイスを検出している。

不正アプリは、1つまたはそれ以上の方法でその環境を操作します:

    • 存在しないデバイスから発信される、自動化された捏造された広告コールを作成する。
    • ノンストップで広告を流す。
    • 「アプリ名」パラメータになりすまし、あたかもCTV広告であるかのように見せる。

DVは2020年以降、数100万インプレッションを生成する4,000以上の不正CTVアプリを検出している。

詐欺グループは低価格の在庫を購入し、高いCPMでプレミアムCTV動画在庫として転売する。

CTVにおけるブランドセーフティ(安全性)とスータビリティ(適合性)の測定

2019年のDV-Harris Pollの調査によると、消費者の3分の2は、ブランドのデジタル広告が虚偽、好ましくない、または扇動的なコンテンツの隣に表示された場合、そのブランドや製品の使用を中止する可能性が高いと言っています。広告主は、購入する在庫の品質を理解し、適切なブランドの安全性と適合性の管理を活用して投資を保護することが不可欠です。

広告主の中には、すべてのCTVインプレッションが安全で自社ブランドに適していると誤解している人もいますが、そうではないことがよくあります。現実には、オープンウェブで誰でもウェブサイトを作成できるのと同様に、CTVアプリも誰でも作成できます。そのため、トップクラスのCTVアプリであっても、扇動的な政治やニュース、暴力、アダルトや性的コンテンツなど、有害または不適切な可能性のあるコンテンツが幅広く存在します。残念なことに、そのメディアがオープン市場でプログラム的に購入されたものであろうと、パブリッシャー経由で直接購入されたものであろうと、ブランドの評判を損なうような環境で広告が表示されることになりかねません。

CTVのビューアビリティ測定

広告は、新商品や新サービスの認知度を高めるためには欠かせません。しかし、広告が一度も見られなければ、あなたのビジネスにインパクトを与えるチャンスはありません。だからこそ、ビューアビリティは、広告主がすべてのデジタルメディアを通して追跡するために不可欠な指標なのです。

多くの人は、CTV広告はデフォルトでビューアブル(視聴可能)だと思っていますが、そうではありません。例えば、CTV広告はテレビ画面が消されているときにも頻繁に再生されます。DVは、テレビが消されている間に広告が再生される環境で配信されたCTV広告のインプレッションを3回に1回以上発見しました。また、広告が再生され始めると、視聴者は番組を中断して終了することもあります。さらに、広告が部分的に画面外で再生されることもあります。 これらはすべて、このような環境で配信された広告が無駄な広告費となり、広告主が見る機会のなかったインプレッションに対して料金を支払うことになることを意味しています。

CTVにおけるジオ(地域関連性)の測定

サービスが利用できないと知りながら、異なる地域向けの広告を見たことはありますか?あるいは、あなたの地域で一般的に話されている言語とはまったく異なる言語で書かれた広告を見たことがありますか?

他のメディア品質の課題と同様に、フラウドを含むさまざまな理由で意図しない地域に広告が表示されることがあります。意図しない地域からのインプレッションが誤って購入される可能性はあります。しかし、詐欺グループによって意図した地域からのインプレッションとして偽装されることもあります。

このような場合、視聴者は広告を無視するか、広告が表示されたコンテンツから完全に離れてしまう可能性が高いです。いずれにせよ、関連する地域のオーディエンスに届かなかったため、インプレッションは無駄になってしまいます。これを防ぐには、広告主がその投資を測定し、保護することが重要です。

CTVのキャンペーン測定と保護のために広告主ができること

CTVの大きな視聴者層とスクリーンは、消費者とつながる大きな可能性を秘めています。しかし、CTVを最大限に活用するためには、広告主がCTVへの投資を測定し、保護するためのツールキットが必要です。CTVをより深く掘り下げ、このユニークなチャネルで利用可能なツールについて詳しくお知りになりたい方は、「CTV測定の最強ガイド」をご覧ください。